目の前の信号が青から赤に変わった。トトト・・・ストップ・・・。交差点の先頭で信号待ちをしていると( 毎度のことながら、ドラマはやっぱり先頭で起こるんだな )、赤から青に変わった左右車線のクルマが発進をはじめた。
目の前を、交差点左から右に1台の軽自動車が通り過ぎていく。ちょっと普通でないのは、ドライアイスのような(ちょっと大げさ)白煙をもうもうと撒きあげ、辺り一帯にさながら RALLY X のような煙幕を交差点に残していった。ゆっくりとしたスピードの割に唸りをあげるエンジン音から、オイル上がりだか下がりだかを起こしているんだなと何の気なしに見送った。
ちょうど左側歩道で信号待ちしていた学校帰りの女子高生も、RALLY X の白煙に軽く包まれたような恰好になって、目の前の煙を手で払っている。だが、突然その女子高生たちはお互い顔を見合わせたかと思うと、手を叩いて大笑いをはじめたのだった。笑いどころなど皆無のはずなのに!だ。
仕事クルマのなかで、わたしの感受性やなにもかもが死んでいく。ただただ疲れていた。