前作 『 ダイ・ハード3 』 から数えて12年(!?)、名作の誉れ高い1作目から数えても19年(!?)ぶりの最新作がどのような進化を遂げているのか?と大して期待せずに観てみたら、それはもうものすごいことになっていてぶったまげた。
1作目のナカトミビルのような閉塞的な状況下で、偶然にも災難に巻き込まれたジョン・マクレーン刑事が孤軍奮闘するのが、ダイ・ハードがダイ・ハード足る所以とするのなら、そんなものは1作目の監督 ジョン・マクティアナン自身の手で、3作目において木っ端微塵に吹き飛んでしまっている ( NY全域が舞台だった ) ので、サイバーテロと対峙することになる今作 『 4.0 』 に至っては全米を巻き込んだ壮大な拡がりをみせていることに別段異論の余地はない。
ただ公式サイトのトレーラーでも映像が出てくるので書いてしまうが、最新鋭戦闘機 F-35 が出てきてミサイルをぶっ放したり、マクレーン刑事がいつの間にかヘリの免許を取得して、ヘリを操縦しちゃったりする( もしや F-35 戦闘機も操縦しちゃうんじゃないか?とハラハラした ) のを観ると、1作目で、素足でガラス片を踏んでしまって、「 どーして俺がこんな目に・・・。 」 とボヤいてたマクレーン刑事が懐かしい。
19年前は、マクレーン刑事はただの冴えないおっさんだった。しかし、4.0 のマクレーン刑事は、映画のなかの台詞にも出てくるように
英雄であり、ただの筋肉バカに成り下がっていた。警察官の職務という責任感?だけで、自ら災厄に突っ込んでいき、「 こんな不幸にはもう慣れっこさ。 」 と嘯く。たしか、3作目では酒に溺れてヨレヨレになっていたように記憶しているが、女房に逃げられ、娘に嫌われ、開き直りとさえ見てとれるジョン・マクレーンのガチムチぶり!?はただものではないですぞ!
ただ要所要所で、1作目を思わせるような如何にもダイ・ハード的な、一連のエレベーターに関するシーンがあったり、4.0 の敵の目的もやっぱり・・・だったり、最後のボスとの対決シーンも似ていたり・・・これでダクトを這い回るようなシーンもあれば・・・とそれらしさが垣間見えるのはちょっと嬉しい。
4.0 が Mi:3 や最近のアクション映画と比べてどー違うのか?と言われれば、なんだかいままでにも似たようなシーンがあったような気がしないでもないが、この冒頭からのたたみかけるようなアクションシーンの連続には、客席で思わず声をあげてしまった。
素直に観終わったあと、「 あー、面白かったなー。 」 と思える期待に違わぬ作品だった。(そもそも期待もなにもしていなかったはずでは・・・。)
・全米中の通信網が途絶えている渦中に、マクレーンとマット(若きハッカー)の乗った BMW の車内回線だけが通じていたのは何故? AT&T に依存しない BMW 独自の通信インフラが整備されているのか?
・マクレーンとマットが侵入する東部ハブという発電所の玄関先に停まっていたクルマは、もしかして DAIHATSU HIJET???
・映画中盤で、ヘリに乗って、ウォーロックという伝説的なハッカー?にボルチモアまで会いに行くのだが、マクレーンとマットの機内での会話。
マクレーン 「 (全米中が停電している)真っ暗闇のなかで、ウォーロックの家をどーやって捜す? 」
マット 「 心配ない。電気の付いている家がヤツの家さ。 」
シーンが切り替わって、ウォーロックの家上空。全米中が停電しているなか、たしかに1件の家だけ煌々と明かりが灯っていた。(んなアホな!?) 玄関を叩くと、怪訝な顔を向けるおばーさんが登場。パラサイトで、スターウォーズマニアの息子は典型的なアメリカのデブオタ中年で、あらゆるライフラインを完備し(CB無線も!)、自家発電していた。
・今回のような事件を引き起こすには、首謀者のもと完璧なまでの意思統一と訓練を受けた兵士たちが少なくとも300人ぐらいは必要に思えるテロ集団なのに、首謀者のプロフィールが明らかになるにつれ、このような組織をどーやって作ることができたのか?と首を傾げざるを得なかった。
・『
アルティメット 』 でも強烈な超人的動きを見せたシリル・ラファエリが大した見せ場(巨大サーバーの冷却施設でマクレーンと対決する)もなく、あっけなく死んでしまったことにはたまげた。マギーQ ぐらい見せ場作ってやれよ・・・。