とある物件を前にして、営業マンと話し込む。
「 仰ってくだされば、どんな間取りでも書きますよ。 」 ということなので、分譲地の看板に書いてあったパティオ(中庭)のある間取りをそのまま書いてもらうと、微妙に違う間取りを出してくる。どーやら自社の分譲地の看板に描かれている間取図すらイメージ図のような案配で、1番広い分譲地に対しても看板に描かれている間取図どおりには入らないらしい。
はははぁーん!?(驚) 駐車場に必ずベンツや高級外車が2台3台と停まっているパース図?がイメージ図でしかないことはなんとなく理解していたが、間取図ですらイメージ図だったとは!?
不動産屋の広告を見ていると、この坪数でホントにクルマ2台置けるの!?といったものや、そもそもこんな物件があんなところにあったっけ?というものまで、間口は体のいいあま~い言葉で広げているのだが、いざ現場に行ってみると、そこは魑魅魍魎、百鬼夜行が跋扈する世界ということが幾度かあった。
こりゃ、百戦錬磨の不動産屋の営業マンにかかったら、ボサっとしとったらケツの毛まで抜かれてしまうわいと、前の営業マンには丁重にお断りを入れて分譲地を後にするのだった。
とある物件にて。立地といい、開放感のある間取りといい、十分にクルマ2台を停められるスペースといい、申し分のない物件に感嘆の溜息すら漏れる。モダンな感じの外観にドラマに出てくるようなインテリア・・・しかし実際に住むと落ち着かんでー、こりゃ!僕なんかテレビの上に、鮭くわえた熊の木彫りの置物やえべっさんが鯛を抱えた置物があって、こたつに入ってみかんでも食べてるのが1番やのに・・・と大泉洋似の営業マンと笑い話をしていたが、物件のお値段の方は笑えなかった。
営業マンは強く勧めてくれるが、候補に挙がったどの物件よりも高い金額だった。「 ○○さんが、ひとこと 『 この家が欲しい! 』 と言ってさえくれればいいんです。 」 と貼り付いた笑顔でさらりと言ってのける大泉洋の言葉が、何故だか後々まで頭のなかに残った。
*記事本文と画像は、一切関係ありません。
次回、第8話 「 分譲地は荒野 」 君は生き延びることができるか?