『
時をかける少女 』 を観た。ひょんなことから、タイムリープという力を手に入れた少女。当初なにが起こったのか、本人すらもわからないこの現象が、時間を飛び越える(というよりも巻き戻す)ことができたとき、紺野真琴という女子高生は終了間際のカラオケボックスの時間を何度も遡ったり、妹に食べられたプリンを過去に遡って先に食べてしまったりする。
タイムスリップものにありがちな、現代の自分が過去の自分に出会うことで起こると言われるタイムパラドックスという概念もなにもあったもんじゃないので、タイムリープが、過ぎたいまという時間を逆戻しする能力なんだということがわかる。時間軸を逆戻しするなら、何故未来の記憶を保持したままでいられるのか?という腑に落ちない点も幾分あるが・・・。物語を最後まで観ると、このタイムリープが未来にも行くことが可能なことが窺えるが、なぜかこの紺野真琴という少女は劇中何度も何度も過去に遡る。
つまり、これは過ぎゆく 「 いま 」 という時間のなかで、起こった行為に対する結果を
無かったことにして何度も何度も人生をリセットする物語なんだと気付かされる。
劇中の魔女叔母さん(かつての時をかけた少女:原田知世が演じた芳山和子が主人公の叔母として登場する)はすべてを見越した上で、真琴が密かに想いを寄せる男の子について 「 付き合っちゃえばいいのよ。駄目だったらまたタイムリープしちゃえばいいんだから。 」 ともすすめる。
本来なら無かったことになんてできるわけないのに、時間軸の流れのなかでAという選択肢を選んで、「あー!駄目だ!」 となれば過去に遡って、Bの選択肢へ。Bが駄目ならCの選択肢へと。 ただ、そーいった行動に真琴を駆り立てるのは、自分のことには消極的な、他人の恋愛のことばかりだったりする。それが、ある事故をきっかけに、無かったことになんてできないことを悟り、はじめて自分のためにタイムリープする。
ホントに、やらなかったことを後悔するよりも、たとえ失敗したとしてもやったことを後悔するぐらいの積極性は必要なのであります。ホントに、そー思います。