「面白いよな。電話が鳴る。相手は分からない。なのに、電話を取ってしまう。そうだろ?」
ニューヨークに、取り残された最後の1つの電話ボックスで展開される80分の物語。それが映画 『 フォーン・ブース 』。
舞台はニューヨークはずれの、明日にも解体される電話ボックス。その公衆電話が急に鳴り響く。たまたま電話を取る主人公スチュ(コリン・ファレル)。電話を切ると狙撃される故、電話を切れないというシンプルなストーリー。
面白いです。画面は終始、電話ボックスの中のコリン・ファレルを映すのですが、だれることなく80分間魅せます。理由もなく狙撃手に狙われる訳ですから、その緊張感たるやすごいこと、すごいこと!
ただ、「面白い」ということを前提に、わたしは少し肩透かしを食らった気分にもなりました。わたしが期待していたようなラスト(答え)ではなかったからです。冒頭に書きました、相手がわからないのに電話をとってしまうことから始まる恐怖を楽しめるなら、この映画は文句なく面白いです。わたしは、てっきりその先のあっと驚くような犯人像を想像していたので・・・映画の最後のカットで犯人がつぶやく、冒頭の台詞は素直に頷くことができませんでした。