カーナンバー27 と28 のマシーン(MP4/5)の風防?部分に貼られていたのは、ROLEX でも OMEGA でもなく、TAG Heuer だった。
当時、日本中の多くのF1ファンがそーであったように、わたしも彼の走りに魅了された。故郷ブラジルのインテルラゴス・サーキットで、レース終盤に6速ギヤのみでゴール。それまで唯一勝利に恵まれなかった母国GPを制し、無線越しに嗚咽をあげる彼の叫びは、いまでも記憶のなかにある。
その年から数えて、3度目。揺るぎない時を刻む秒針は次第に4秒置きの動きを示し、先日その時を止めた。彼はわたしのヒーローだった。