『 SAW 』 の1作目を監督したジェームズ・ワン。あっさりと SAW シリーズから身を引いて、どーしたものか?と思っていたら、立て続けに、呪われた館ものを撮っていた。偶然にも 『 インシディアス 』 と 『 死霊館 』 を立て続けに観賞。
『 インシディアス 』 ・・・ 引っ越してきた家に巣食っていた霊が、娘の身体を乗っ取る。娘に取り憑いた悪魔を追い出し、闇を彷徨っている娘の魂を自身の肉体に戻してやる過程が、ビジュアル的に描いてあったのは、ちょっと新鮮。堅実に丁寧に撮られたホラー映画という印象。70点。
『 死霊館 』 ・・・ 『 インシディアス 』 の後に撮られたのが、今作。またもや引っ越してきた家になにかがいる的な内容。災難に見舞われる家族と、それを退治に来る悪魔祓い夫婦の様子が交互に描かれる。ホラー映画でありながら、人間ドラマもしっかり描かれている。彼等の人となりがわかるだけに、彼等に感情移入でき、彼等に振りかかる災厄に、観ている方も恐怖する。此れ見よがしのグロやワッ!という安っぽい演出がないのもいい。物語の着地点も、ホラー映画でありながら、愛にあふれたものだった。80点。
引っ越してきた家になにかがいる繋がりで言えば、ジェームズ・ワン監督作品ではない( 『 エミリー・ローズ 』 の監督 )けれども 『 フッテージ 』 も少し前に観た。これまた、犯罪小説作家の家族が、引っ越してきた家の屋根裏に、スナッフフィルムが残されていて・・・と、ちょっと中田秀夫監督の 『 リング 』 を連想する導入部。60点。
3作品共に出てくるのは、アメリカだけに悪魔的なもので、その点、我々にとって怖さの種類がまたちょっと違うんですが、あーいうスピリチュアル的なモンスター?って人間の何に起因するのだろう?と考え込んでしまった。例えば、現実世界に存在するキリンが世界共通で、首の長い黄色い動物の姿を思い浮かべるのに対して、霊の姿っていうのは心のなかの何に起因して投影して見ているのだろうか?生活環境に根付く土着的な何か?それとも宗教?