湊かなえの 『 告白 』 が、文庫化されて本屋に平積みにして並んでいたので、早速買って読んでみた。
ある女性教諭の告白から、物語は始まる。中学1年の終業式の日、女性教諭はクラスの生徒に向かって打ち明ける。4才になる自分の娘が、この学校のプールで溺れて亡くなったのは、事故ではなく、このクラスの生徒による殺人だということを告白する。
彼女はそれを事故扱いとした警察に訴える訳ではなく、13才という少年法に引っ掛からない年齢の犯人に対して、自らが裁いて復讐を遂げようというのだ。
以下、第1章での女性教諭の告白に続いて、この事件に関わった様々な当事者たちの告白が、第2章、第3章・・・と語られていくが、この物語、第1章ですべて語られており、決着がついている。第2章以下は、第1章の肉付けに過ぎないように思われる・・・。第1章の血の気も引くような告白のテンションが、最終章まで続くことはなかった。
ちなみに、この小説、6月にも松たか子主演で
映画が公開される。いままで 『 下妻物語 』 や 『 嫌われ松子の一生 』 など、映像作家的な監督としてみていた中島哲也がメガホンをとるということで、いままでの作風と随分異なっているが、はてさてどーなっているんでしょう? どーせなら、人間の業の深さを描かさせたら、この人!と思われる 『 ディア・ドクター 』 の西川美和なんかがぴったりと思ったのだが・・・。西川美和の業と湊かなえの業 対決が相乗効果を生んで、とんでもなくイヤーな映画が産まれただろうに・・・そっちを観たかったぞ。