年末恒例の ACID のベスト10に投票しようと、映画館で観逃した良さげだったり、通常の値段を出して観るには躊躇われるバカ映画等をTSUTAYAの半額セールの期間にここぞ!とばかりに借りてきて、固めて観る。
そのなかで、とんでもない秀作を発見。その映画のタイトルとは・・・
『
君のためなら千回でも 』
号泣。いや、号泣は誇大表現。PS3 の再生ボタンを押したその時から、エンドロールが上がってくるまで終始、涙腺が緩みっぱなし。(´Д`。)
アフガニスタンの首都カブールに、アミールとハッサンという少年がいる。アミールは富豪の息子。ハッサンはそこに仕える召使いの息子。しかし、アミールの父はよく出来た人で、そーいった富豪の息子と召使いの息子というありがちな身分の違いを押しつけることなく、2人仲良く友人関係を保っている。
2人は、凧揚げ大会に参加する。凧揚げといっても、スポーツカイトのような競技で、2人1組になって凧を操り、他の凧の糸を切って落としていく。カブールの街並みを見下ろすように、カメラは大空に舞う凧の背後にまわる。バタバタバタバタッと風になびく凧が右に左に旋回する。カメラが、その動きを追っていく。宮崎駿の特徴的な飛行シークエンスを実写(といってもCGだが)でやったような感じで、非常にかっこいいし、気持ちいい。
アミールとハッサンは、大会で優勝する。ハッサンは糸を切って落ちてくる凧を得ようと走り出す。さっと振り向いて、アミールに叫ぶ。
「 君のためなら千回でも! 」
街はずれまで凧を拾いに行った帰り、ハッサンは街の不良に捕まる。なんと!そこであろうことか!くそみそテクニックのお馴染みの山川純一先生の、「 ウホッ!いい男・・・ ・・・ 」 「 やらないか 」 という展開になってしまう!?まだ、子供だと言うのに・・・なんたる非情。
なかなか帰ってこないハッサンを探しに、アミールは奔走する。そこで、通りの奥の方で不良達に犯されているハッサンを見つける。アミールは物陰に隠れて見るだけで、ついに彼を助ける勇気をもつことができなかった。
アミールはいたたまれなさから、ハッサンと距離を置こうとする。父に、召使いであるハッサン達親子を解雇できないか?とまで進言する。「 ハッサン親子は40年仕えてくれた。2度とそんなことを言うな。わたしは息子のお前を恥じるぞ。 」と父は激高する。キャラクターの高潔さに心を打たれるシーン。こーいった、命を賭してまで己の信念を貫く高潔さを表現するシーンが、この後も随所に出てくる。
いたたまれないアミールは、自分の腕時計を盗まれたと吹聴して、ハッサンの枕の下に隠すという行為に出る。卑劣な行為だが、ただただ不良の行為を見逃すだろうなーとアミールに感情移入しながら観たわたしに、アミールのこの行為を責めることはできなかった。
アミールの父に、盗みの罪を問われたハッサンは、アミールの顔をちらっと見て( お願いだから見ないでくれ! )、自分が盗んだことを認める。ハッサン、お前ってやつは、お前ってやつは・・・俺が余計に惨めになるじゃないか・・・俺が悪かったよ。( ←映画を観ているわたしの心の中の声)
ときは1979年。ソ連がアフガニスタンに侵攻をはじめる。共産主義を嫌う資産家のアミール親子はパキスタン国境へと逃げる。アミールは、自分の犯した罪を抱えながら、ハッサンと離ればなれになる。そこから、20年余にわたる彼等の物語。
うーん・・・かなり、ストーリーを喋ってしまってるなー。というのも、わたし、今年観たなかで、この 『 君のためなら千回でも 』 をベストに推す。それぐらい良かった。あと、『
闇の子供たち 』 と 『 おくりびと 』 を観逃しているのがなんとも心残りなのだが・・・。