すこしまえに DVD で観た 『
ゆれる 』 は強く印象に残る映画だった。東京でカメラマンをしているヤリチンのオダギリジョーが何年ぶりかで母の法事?に出席のため、実家に帰るところから物語は始まる。
イケメンで売れっ子のカメラマンである弟(オダギリジョー)に対して、実家の小さなガソリンスタンドを継いだ兄(香川照之)は、すべてを持っている弟とは正反対の存在。ガソリンスタンドを手伝ってくれている幼なじみの智恵子ちゃん(真木よう子)に密かに想いを寄せているが、あろうことか帰郷した弟にその日のうちに寝取られてしまう。ナニをナニに挿入しているまさにそのとき、兄の香川照之は、トラックの給油口にガソリンコックを挿入しているという・・・なんと!セクハラ紛いなオヤジギャグのようなこの描写!ちなみに監督は女性でした(驚)
翌日、幼なじみのその3人が小さい頃に遊びに行ったことのある吊り橋に行くが、吊り橋の上から智恵子ちゃんは落下して死んでしまう。オダギリジョーが向こう側に渡りきった後を追いかけて、智恵子ちゃんも吊り橋を渡りに行く。その後を追いかけて、高所恐怖症の香川照之もついていく。2人(智恵子ちゃん&香川照之)が吊り橋を渡るのを遠くから見ているオダギリジョー。橋の上で兄と智恵子ちゃんの2人の間になにがあったのか!?事故か?殺人か?
物語は法廷劇へと様変わりする。オダギリジョーも頑張っているけど、やっぱ香川照之、すごいわ!この人・・・さすがは静かなるドンやで。で、吊り橋もゆれるがそれ以上にゆれるのが兄弟間の感情。その揺れ動く感情の果てに見た裁判の判決とはどーいったものだったのか!?
原案・脚本・監督をすべてこなすこの西川美和という女性監督はすごいわ!こーいう映画を観ると日本映画が活況を呈しているのも頷けるのであーる。感情移入できるか否かと言われれば多くの人は感情移入できないと思うが、重厚な人間ドラマとしては非常に面白かった。