むかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんとおばあさんは、近所の公園に散歩に出掛けました。散歩途中、木にヤマモモがなっているのを見つけ、こどものときに田舎で食べたことを懐かしく思い、ちょっと出た枝に足をかけて、手近になったヤマモモの実をおばあさんに取ってやりました。
おじいさんは、「 今度はじぶんの食べる分を。 」 とさきほどの枝に足をかけて上ったところ、枝がポキっと折れてしまいました。おじいさんは木から落ちはしなかったものの、瞬間にしっかりと木にしがみついたせいで、腕の内側が年甲斐もなく切り傷だらけになってしまいました。
後日、おじいさんとおばあさんはまたもや散歩に出掛け、今度はいっぱいのヤマモモの実を採ってきて、ヤマモモ酒を漬けました。それを見たおじいさんとおばあさんの息子は、「 公園の木やろ?絶対、殺虫剤撒いてんで。 」 と嫌事を言うのでした。