逃げ惑う家族の中で、トム家族のみ紙一重で回避されるトライポッドの怪光線や、愛国心に目覚めて?軍隊とともに突っ込んでいった長男が、突っ込んでいった先に猛火の炎が上がったというのに最後には何事もなかったかのように別れた妻の実家に先に帰っていたとか、ダコタ・ファニングちゃんがギャーギャーうるさすぎとか、数々の突っ込みどころは観る前から折込済みで、壮大なバカ映画とわかって 『 宇宙戦争 』 を観てみた。
なるほど、評判通りの突っ込みどころ満載のバカ映画でそれなりに楽しく観れたが、戦わずして不戦勝的な落ちないような落ちに、「え?これで終わり?」 と寝ながら観ていたソファーからずり落ちた。もはや、スティーブン・スピルバーグ監督は、ある意味わたしのなかで、「 スティーブン・セガール作品がきた! 」 とそんなに変わらない位置にあって・・・「 ここだけ観てくれ! 」 と撮りたい映像のためにはお話なんかはどーでもよくて・・・ 『 プライベート・ライアン 』 しかり・・・たぶん、今回の 『 宇宙戦争 』 と 『 プライベート・ライアン 』 のフィルムを重ねても大差ないのでは?と思えるぐらいに相変わらずのどーでもいい人間ドラマ部分であった。
トム・ハンクスが野営地でたき火を前に、「 俺はむかし、学校の先生でなー。 」 と言うてるのも、『 宇宙戦争 』 の中盤あたりで、ティム・ロビンスが出てきて、「 真っ先にパニくった奴が死ぬんやー。 」 と言うてるのも、どちらもどーでもいいぐらいに付け焼き刃的な退屈なドラマに欠伸が出て眠りそうになった。それにしても、ティム・ロビンスはどーしてこの役を受けたのだろう?スティーブ・ブシェミあたりがやりそうな、ほとんど目が逝っちゃってる幼女趣味の変態親父の役どころは、この映画1番の突っ込みどころだった。ショーシャンクよ、さらば!
それでもお金だけはふんだんに掛かっているだろう映像は怖いぐらいで、怪光線を浴びた人々の衣服のみ空から舞い落ちてくる描写や、遮断機が下りた後、猛スピードで通過する列車の描写はドキッとするものがあった。