『 へんないきもの 』 (早川いくを著 バジリコ株式会社) を通勤途中に読んでいます。
へんないきもののちょっと変わった生態を、人間社会の事例などに当てはめておもしろおかしく解説されていて、ちょっと間抜けにも見えるイラストと併せて、なかなか楽しく読めます。ちょっとしたベストセラーにもなっているので、ご存知の方も多いはず。
仕事で、たまーに小さい子どもと接する機会がある。仕事中のわたしをつかまえて子どもの発する第一声はいつもこうだ。
「 おっちゃん、なにやってんのー? 」
そんなとき、わたしは確信犯的に嘘ばっかり教えることにしている。真面目に答えてもいい加減に答えても、たぶん子どもたちの返答は変わらないだろう。(おっさんが一生懸命仕事しているのに、おまえのトモダチと思うなよ、このクソガキ。) おっさんの懇切丁寧な返答に対する子どもたちの答えもいつも決まっている。
「 なんでー? 」
わたしのようなおっさんの頭脳では、当たり前の、もうこれ以上割り切られへんというところまで答えを噛み砕いてやっても、子どもの答えは・・・
「 なんでー? 」
のオンパレードなのである。1+1=2 ぐらいに当たり前な回答が、子どもにかかると 「 なんでー? 」 なのである。これにはわたしもちょっと感動する。単にアホなのか?とも思うが、いやいや無限の好奇心がそーさせるのだろう。なので、敬意をはらって、いつも嘘ばっかり教えることにしている。世の中には悪いひともいるんだよ(笑) ついでに言えば、海外を旅行したりすると現地の子どもとよく話をする。なぜなら、その国の言葉を少しでも勉強しようとすると、子どもと話すぐらいがちょうどいいレベルなのだ。とても大人じゃ相手にしてくれない・・・語学力(泣) 「 おっ!いまなんて言うたん?What's mean? 教えて、教えて。Please teach me. 」 終始こんな調子である。まさしく、
なんでー?なんでー?精神は大事なのである。
絶対、外国人が知り得ないスラングというか、これ1発でつかみOKなコトバ ( これは酒の席で、そんなんばかりを現地のおっさん連中に教えてもらった ) と外国人が絶対知り得ない現地のアイドル話をすると、どっかんどっかん受けまくった。これは、とある国においては、もう半ばわたしの持ちネタになってしまった。
話が逸れた。子どもの好奇心の話。「 なんでー? 」にはじまる子どもたちの好奇心にはほとほと感心させられる。自分も子どもの頃はあーだったのか?とふりかえる思いだ。それが年をとると悲しいもので、少々のことではピクリとも驚かなくなって、ひさびさに会う連れと交わす第一声が、「 なんか最近、おもろいことない~? 」 だ。悲しいー!薄汚れちまったぜぃ、俺っちはよぉ。心の中に、ガンダムとゲルググが戦ったテキサスコロニーのようなからっからっに乾いてひび割れた、草木の1本もない大地を想像してしまう。
そんな薄汚れちまったおいらの、ときどき世の中すべてのことに無関心を決め込むおいらのこころを唯一?揺さぶるのは、いきものの不思議だったりするわけなのだ。敬愛して止まない故・近藤紘一は、動物園を訪れるのが好きだったという。だからというわけじゃないが、動物を見るのは面白い。幼少時に動物園に行って、キリンをキリンとして当たり前のように見た目が、大人になってからそれらの動物を見ると、とても不思議な存在に見えてくる。
なぜ首が長いの?なぜ黄色と茶色なの?なぜあんな細い足で支えれるの?なぜキリンの舌はキモいの?なんでー?なんでー?だ、まったく。
知恵の神様ともいわれるフクロウの前に立つ。その何百年と生きてるかのような、「 お前のことなどなんでもお見通しなのだよ。 」 と酸いも甘いも世の中すべての辛酸を嘗め尽くしたようなその瞳に見つめられると、思わず 「 へへー。 」 とひざまずきたくなるいきもののふしぎ。なにをして、なにが、お前をそのような姿形にさせたのか?と興味は尽きない。そーいう意味でも 『 へんないきもの 』 は、まさしく 「 なんで?なんで? 」 ないきものばかりで、驚きつつもちょっと面白い。