年をとると、捏ねくり回したものを観ると 「 ふぅーん。で? 」 という思いが先に立って、なかなか素直に映画を楽しめなくなった。その点、この 『 天地明察 』 は、ベタだけど、(暖かい気持ちになるという意味で)ホッとする。落ち着くところは、やっぱりベタなのよ(笑) 岡田准一と宮崎あおいの関係は、まるで滝田洋二郎版 『 たそがれ清兵衛 』 かと思った。
これまで用いてきた暦を一新するという大偉業の割には、軽妙にコミカルに話は進んでいくので、あまり深みも重みも湿っぽさもない。『 おくりびと 』 で、アカデミー賞をもらったもんだから、外国人受けを狙った訳じゃないのだろうが、途中、忍者のような黒装束が出てきたり、現代ドラマの調子で、中井貴一に楯突きすぎだぞ!と岡田君の身を案じたり、FF9 のエンディングか!?というようなハリウッド的大団円を迎えたり(江戸の町民カップルが、公衆の面前でキスする勢いだった)、と突っ込みどころは満載だけど、この映画、2時間20分の長さを感じさせない、なかなか面白い映画だった。
しかし、夫を陰から支えながらも自己主張?する妻という役まわりは何度目だ?宮崎あおい、と思ってしまった。カワイイから許すけど・・・。近年だけでも 『 ツレがうつになりまして 』 『 舟を編む 』 『 天地明察 』 、これら、皆同じ役ばかりじゃないか!?カワイイからもっとやれ・・・(笑) 『 神様のカルテ 』 もそーじゃなかったっけ?『 きいろいゾウ 』 っていうのもあったなー。
75点。