土曜日の朝に放映しているテレ朝系の番組 『
渡辺篤史の建もの探訪 』 が好きだ。わたしはあまりテレビを見ない人なのであれなんだが、たまたま朝起きてきてテレビでこれをやっていると思わず、ずーっと見てしまう。
『 大改造!!劇的ビフォーアフター 』 など最近のこの手のリフォーム番組のフォロワーは、次から次へと出てきているが、やはりこの筋の老舗番組 『 渡辺篤史の建もの探訪 』 は目が離せない。これに比べれば『 劇的ビフォーアフター 』 などはなっちゃいない。まだまだだ。
単純に家そのものへの関心から、「 なるほどー。書斎スペースは男の夢だのー。 」とか相づちを打ち、コーヒーをすすりながら見ているんですが、もう一歩踏み込んで見えてくる家主と案内人の渡辺篤史のなんともいえない掛け合いに、くすぐられるものがある。渡辺篤史のすごいところは、とにかく褒める!これに尽きると思う。それは、もう玄関を開けたところから褒め、上がり框を褒め、土間が狭くても褒め、階段の手すりを褒め、北向きの窓を褒め、そこから見える景色を褒め、褒めるところがなくなると、「お利口そうなお坊ちゃんですねー。」と子供を褒め・・・とにかく褒めて褒めて、褒めまくる。
どーかすると、家主と渡辺篤史の間に、なんとも嫌ぁ~な褒め合戦を見るようで薄気味悪いものを感じないではないけれども、そこを超越したわびさびと申しましょうか、清濁併せ呑んですべてを了解した上で見る 『 建もの探訪 』 は格別に趣深い。
ふと、あらぬ方向に思いを奔らせ・・・もしも、渡辺篤史が建ものじゃなく、わたしのBEATを探訪したらどーなるんだろう?とテレビの 『 建もの探訪 』 をそっちのけでしばし妄想に耽る。
篤史 「では、早速おじゃましま~す。おっ!このドアノブがなんとも・・・!?いいですねー。」
篤史 「おっ!このドアシルプレート!カーボン柄ですねー♪いやぁー、なんとも!」
篤史 「では、シートに腰を下ろしてっと。この狭さがなんともねー。いやぁー、実にいいっ!」
というような会話が続くのかと思うと、思わず渡辺篤史の褒め芸に転ばされそうになるが、客観的に見るとどー考えてもキモい。これだから、土曜の朝の 『 渡辺篤史の建もの探訪 』は目が離せない。