『 フィッシュストーリー 』 はちと期待外れだったが、期待以上だったのが 『
チョコレート・ファイター 』 だ。『 マッハ!!!!!!!! 』 、 『 トム・ヤム・クン! 』 の監督&スタッフが、今度は女の子を主役に据えて撮ったのが、『 チョコレート・ファイター 』 。タイ映画です。ムエタイカンフーの映画です。
女の子が、病気の母親の代わりに母が過去に貸していた借金を取り立てに行くというおはなし。そんで、言うこと聞かない奴は、得意のカンフーでぶちのめすという単純な話。チープなはなしで、突っ込みどころ満載だけれども面白い。
主人公の女の子(ジージャー)は知的障害者だが、動体視力に長けていて、近くから投げたモノを手でキャッチする芸を見せ物にして、お金を稼いでいた。付き人の幼なじみのデブが、「 さぁ、どうぞ。どこからでも投げてください。 」 と用意したボールを、ジージャーを取り囲む見物客に差し出すが、それより早くジージャーに向かってナイフを投げる若者が・・・。ナイフをもキャッチするジージャー。怒るデブ。投げろと言ったじゃないかと反論するタイの若者(ぉぃ 動体視力に優れたジージャーだが、テレビで観た映画 『 マッハ!!!!!!!! 』 のトニー・ジャーの動きを見て、カンフーをマスターする(ぉぃ お前は、マトリックスのネオか!?
ボール投げの見せ物から、やがて付き人のデブと組んで借金取りへと商売を鞍替えしていく。かわいい顔をしているが、貸した金を返さないとなると、精肉店の社長のみならず、そこで働く従業員までも1人残らず容赦なくぶちのめすという・・・893 の手口のような主人公たちの行動に感情移入していいものかどーか・・・(笑) 映画の主人公らしからぬキャラクター設定と振る舞いに、俄然楽しくなる(笑) さすがはタイやで(笑)
しかし、この映画の最大の見せ場は、ジージャーのカンフーアクション。トニー・ジャーと比べて、小柄な女の子故、蹴りの軽さと肘撃ちのインパクトの弱さは如何ともしがたいが、ストーリーが進むに順って、ここまでやらすか!?の連続。終盤の雑居ビルでの攻防など圧巻。吹き替えなしということだが、髪に隠れた顔を見ると、ボディダブルを疑ってしまうぐらいの凄まじいアクションを熱演している。これは、ジージャーもさることながら、入念かつ綿密に決められたカメラ割りと優秀なスタントマンチームあっての賜物だと思われる。それを証拠に?華麗に決まったカンフーアクション以外での、パイプとパイプの間を潜ったりするなんてことのないシーンでの動きは、女の子のそれと言わざるを得ないと感じる箇所が2~3あった。カンフー以外での様々なシーンでも、あっ!と言わせるアクションを魅せたトニー・ジャーの方が1枚も2枚も3枚も上手と言わざるを得ないが、トニー・ジャーの次回作が聞こえてこないのは、金で揉めたか干されたのか・・・。
終盤、日本料理屋に乗り込んでからのカンフーアクションは必見で、タイマフィア側のジャージ姿の男との一騎打ちは、過去例を見ないカンフーアクションだ。酔拳でも蟷螂拳でもない、某掲示板で言うところの“ 池沼 ” 拳なんて、はじめて見たわ!
あまりの面白さに、日を於いて2回観てみたら、ストーリー部分は2回と観るもんじゃないことがよぉーくわかった。その代わり、アクションは身を仰け反らせる程に痛快だった。やっぱり、生身のアクションは最高ですわ!