退屈の一言。愛国者でもあり、アメリカの巨大軍事企業のボス、トニー・スターク( ロバート・ダウニー・Jr )は、アフガニスタンで過激派ゲリラの襲撃を受けて拉致される。そこではじめて自社の武器が敵国のゲリラの手に渡り、罪のない人々の命を奪っている現実を知り、衝撃を受ける。この時点で、おいおいなんだが・・・命からがら逃げ延びたトニー・スタークは、自ら開発した強化骨格みたいな鎧をまとい、世界中に散らばった自社の武器やゲリラ根絶をすすめていくというマッチポンプ的展開。
巨大軍事企業の社長としての立場と、それを潰してまわるアイアンマンとしての正義という矛盾の間で、さぞや一般人には思いもつかないような葛藤やストレスに苛まれるのかと思いきや、それはアフガニスタンで拉致されて命からがら逃げ延びた一瞬だけの事だったみたいで、あとは秘書のおねーちゃん( グウィネス・パルトロー ) とどーやって H に持ち込むか?といったストーリー展開に唖然。アフガニスタンを脱出する際に、犠牲となったインセン博士も全く報われないという・・・過去の些末な事柄に囚われない巨大軍事企業の社長っぷりを披露してくれる。
また、アイアンマンの飛行テストの際には、高々度の高みまで極めようとする、悪いクスリでもやっているんじゃないか?というぶっ飛び様には、思わずロバート・ダウニー・Jr の過去の私生活をだぶって見るようで面白かった。
同じマーベルコミックのヒーローものとしては、以前観た 『 インクレディブル・ハルク 』 の方が面白いと感じた。『 アイアンマン 』 と同様にマーベルコミックが拵えた自社の映画スタジオが制作しているので、同じソフトを流用したのか?と疑いたくなるぐらいに、両者は内容や構成が酷似していた。
興奮して心拍数が上がると、緑の大男・超人ハルクに変身する主人公だが、元彼と H な行為に及ぼうとする際も、ドックン、ドックン、ドックン・・・ドクドクドクドク・・・と心拍数が高まり、駄目だー!巨大化しちまうよー!君とHできないよー!といった具合に、バカ映画炸裂しまくり。35歳?と言い張る50歳にしか見えないティム・ロスにも吹いた。