久しぶりのお休みに、S660 で出かけようと、ドアノブ奥のポッチに手をかける。いつもより心なしかピピッと小さな音を発したが、運転席側ドアは施錠されたままだった。再度試みるも、同様だった。バッテリーが上がったか・・・。ピピッと反応はするが、ドアロックを解錠するアクチュエーターを作動させるだけの電力は残っていないようだ。
S660 のスマートキーから内蔵キーを引っこ抜いて、在りし日のやり方でドアを開ける。案の定、セキュリティが働いて、控えめではあるが、辺り一帯にホーンが断続的に鳴り響いた。セキュリティを解除し、運転席に潜り込み、クラッチを踏みながらSTART ボタンを押すが、やはりうんともすんとも言わない・・・。
しかし、慌てない。2年前に購入したジャンプスターターが日の目を見る事になる。その名も beat it !!! 購入時に充電したっきりだったが、beat it のバッテリーはビンビンだった。S660 のバッテリーの端子に繋いで、beat it のスイッチをオーン! 運転席に戻り、クラッチを踏み、START ボタンをオーン! 拍子抜けするほどに、いとも簡単にエンジンがかかった。
ジャンプスターター、恐るべし・・・。備えあれば憂いなしとは言うものの、2年前にこれを購入していた事を覚えていた自分に感心した(ぉぃ いやー、お値打ちだわ。
出先のタイムズに S660 を止めて、クルマを離れようとしたとき、運転席側のリアタイヤがぺしゃんこにひしゃげている事に気付いた。とりあえず用事を済ませて、3時間後、S660 のもとに戻ってみるも、やはりタイヤはぺしゃんこのままだった。
いまどきのクルマなので、当たり前のようにスペアタイヤは積んでいない。フロントのユーティリティボックスの底にあるタイヤパンク応急修理キットの出番となる。
しかし、以前、Honda Cars で JAF を薦められたときに、通販型の自動車保険のロードサービスは、パンク修理の際に、パンク穴を充填させる応急修理剤を使うとか。タイヤとホイール内で応急修理剤のネバネバが付いて、後々タイヤ交換等をする際に、ネバネバを除去する手間で高い工賃を取られると聞いた事を思い出した。
とりあえず、ユーティリティボックス左端に鎮座している応急修理剤には手を付けずに、付属のエアコンプレッサーで空気を充填する事に・・・。エンジンをかけて、シガーソケットから電源を取り、スイッチオン。大きな音とともに空気が入っていく。思いの外早い時間で規定量に達したのか、エアコンプレッサー本体の赤いキャップが飛び出し、黄色い腹を見せる。
タイヤのトレッド面を見ると、ビスの頭のようなものが刺さっているのが見える。とりあえず、心当たりがある某ミスタータイヤマンにそのまま向かう事にする。ガソリンスタンド等の外面修理と異なり、タイヤをホイールから外して、内面修理を行ってくれるのだ。
10km 程の距離を信号待ちでストップする度、ドアを開けてリアタイヤの様子を確認。なんとか某ミスタータイヤマンに無事到着。
早速、ホイールを外してタイヤ内面を見ると、タイヤがひしゃげてそのまま走行したので、引きずったような皺が出来始めている。この手のロープロファイルタイヤは、常に状態を注意しなければならない。もうちょっと皺が酷い状態だとタイヤ交換をおすすめするが、まだ山もあるし、どーしますか?と聞かれる。とりあえず、パンク修理をお願いするのだった。
ちなみに、S660 のリアタイヤ( YOKOHAMA ADVAN NEOVA 195/45R16 )。ブリジストン系のミスタータイヤマンで引いてもらうと、26,500円かかるとの事。高っ!パンク修理は、2,500円+税でした。
とある中学校での休憩時間。わたしは書類を受け取る為に職員室のなかで待っていた。すると、廊下を歩く男子生徒の大きな歌声が聴こえてきた。
「 あー♪ 夜を越えてー♪ あー♪ 闇を抜けてー♪ 」
誰に聞かれるのもお構いなしのその無防備な歌声に、内心ニヤリとした。机に向かって書き仕事をしていた女性教師もふと顔を上げて、フフンといった顔になったのをわたしは見逃さなかった。
冒頭で母が亡くなるという点では、ドゥニ・ヴィルヌーブ監督の『 灼熱の魂 』も強烈な映画でした。
母が残した遺言書には、亡くなったはずの父といないはずの兄を探し出して、この手紙を渡してほしいと綴られていた。遺族の姉弟は、カナダからレバノンに飛び、母が生きた足跡を辿り、母がどーいう人生を過ごしたのかを知る訳です。現代と過去が交互に描かれ、母の数奇としか言いようのない運命を知るミステリーとなっていく。
姉弟は、旅路の果てに、とんでもない結末を知る事になる。その結末に、数日、わたしも重く沈んだ。
90点。
グラハム家の長、祖母が亡くなった事で、その一家に次々と不幸が降りかかる『 ヘレディタリー 継承 』。祖母から何かを受け継いだ事で、残された家族が災難に見舞われる訳ですが、わたしが特にトラウマ級に印象に残っているのは、この映画を観た多くの人と同様に、前半部分最後の方で起こる、兄妹が遭遇する事故でした。
事故後に兄がとった行動。その後の食卓シーン。この一連の展開は、もう恐怖というよりも、トラウマそのもの。『 ヘレディタリー 継承 』も、オススメ!と言いつつ、ハートフルな映画を装って、ミリオンダラー・ベイビーとかダンサー・イン・ザ・ダークとかミストとかの鬱映画を列挙する有名な、「これを見にきた」的なスレッドに今後確実に併記される事必至だと思う。
ちなみに、映画後半の展開は、わたしはいまいち乗れませんでした。
70点。